shinya

ふと思ったことをまとめていきます。

第3回  「民主主義」とは   ~平等な選挙か、良質な選挙か。~

民主主義は、国民が主権を持つ政治のことである。国民が国を動かすので、国民の声が届きやすく、日本では独裁政治や社会主義よりも良い方法だとされることが多い。しかし、民主主義にも独裁政治や社会主義のように大きな問題点がある。今回は、そんな見過ごされがちな民主主義の問題点とその対策について考えていく。

【1,国民は政治のプロではない】

当たり前だが、日本国民の全員が政治のプロというわけではない。しかし、民主主義では国民が主権を握っているので、選挙で人を選ばないと政治が成立しない。そのために、メディアがあり、国民は政治家や専門家の情報や、世界のニュースを知ることで正しい判断をできるようにするのだが、メディアも、ただ情報を渡してくるだけではない。彼らはプロパガンダを使って国民を洗脳*1しに来る。それでも国民の多くがが情報リテラシーをしっかり持っていれば問題ないのだが、それは簡単な物ではない。もし、国民の情報リテラシーがしっかりしていないと、マスメディアが実質的に主権を握ることになってしまう。(このままでは日本は将来そうなってしまう可能性が高いとわたしは思う)

【2,必ずしも国民は政治に興味があるとは限らない】

国民の全員が政治に興味があると言ったら嘘になるだろう。しかし、国民の全員が投票の権利を持つというのは国民が政治に関心を持って投票することが前提になっているということだ。そして、情報リテラシーの話に戻るが、関心を持っていないほど人は騙されやすい。「平等な選挙」が必ずしも良い政治につながるとは限らないのだ。

このように、国民全員が主権を持ち、自分で考え、国を動かしていくのには無理がある。選挙は「平等」なだけではいけない。選挙の「質」も重要なのだ。

ここで、明治時代の選挙について考えてみよう

「直接国税15円以上の満25歳以上の男子」

これが、当時選挙権を持っていた国民でである。小中学校で習ったのを覚えている人は多いだろう。そして、そのときはこう習ったはずだ。「当時の政治は国民全員が平等ではなかった。(差別されていた)今は税金や男女に関係なく投票できるようになり、差別がなくなって良くなった」と。

まあ、たしかに平等になり、差別されることは減ったかもしれないが実はこの制度はよく考えられたものだったのだ。一つずつ順に見ていこう。

「直接国税15円以上」

簡潔に言えば、金持ちにしか選挙権がないということだ。一見すると金持ちを優遇しているだけのように見えるかもしれないが、そこまで金があるのならばそれなりに賢く、良い教育も受けており、なにしろ税金をたくさん国に納めているのだから国にも関心がある人が多い。情報に流されやすい人や、政治に関心がない人がカットされるから、質の良い投票になるだろう。しかし、15円以上の税金を納めている人は一部だから、その一部に有利なように事が進むかもしれないし、その一部の人だけの声で国を動かすことを「民主主義」と呼べるかは怪しい。

「25歳以上」

25歳というと、今の選挙権から見れば遅いと感じるかもしれないが、25歳ならばそれなりに社会の中で経験を積んでおり、政治に関する知識やリテラシーもそこそこ備わっているはずである。若者の声が通りにくいという意見もあるかもしれないが、経験が浅く、人の意見に流されやすい人が多い若者にはあえて選挙権を与えないというやりかたもあるのだ。

「男子のみ」

最後にこれだ。ただの差別に見えるかもしれないが、それは現代の価値観で見るからだ。当時の女性は「結婚して家事だけをする」というのが基本であり、政治に関わる女性というのは少なかった。そんな女性に選挙権をあたえても意味がなかったのかもしれない。また、当時は「男が女より偉い」という風潮もあったため、もしかしたら夫に「ここに投票しろ」と言われて自由に投票できないかもしれない。

当時の価値観が良いか悪いかは置いといて、当時からすれば、それなりに合理的な手段だったのだ。

 

このように、明治時代の政治も悪い物ではないだろう。しかし、一部の人だけに選挙権を与えても、民主主義として成り立つかは微妙なところである。

今の日本に必要な選挙は、平等な選挙か、あるいは良質な選挙か。

世間的には平等さが重視されているが、私は平等さと良質さを、どちらかに偏らせずに両立させることが大切だと思う。

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次回  第4回  「価値とは」 ~価値と洗脳。そして、価値に固執する若者たち~ - shinya (hatenablog.jp)

あとがき

短編を挟んで第三回となりました。話すテーマ的な物はいくつも思いついているんですが、記事を作るのにはなかなか時間がかかります。何回かにわけて書いても良いんですが そうすると、たいていしっくりこないので没になります。

自分の中で思っていることを文字にするって意外と難しいです。頭の中で思っていることが まだ自分の中でまとまってないってのもありますが。

まあ、そもそもこのブログを始めたのは、考えていることをまとめようったからなんですよね。最初は紙に書いていたんですが、紙は訂正が効きにくいので...

それでブログを始めたんですが、人という生き物は欲深いものでアクセス数を気にしだしてみたり...

そのためにタグをつけてみたり、タイトルを工夫してみたり。

扱うテーマについても考えたりしています。まだタイトルだけの下書き記事ですが、哲学的なテーマも保管してあります。テーマが広いとアクセスを拾いやすそうなのでね。

とまあ、最初は考えをまとめるためのノート的なブログでしたが、今は楽しくやっています。あまり長くなるといけないので今回はここまで。

 

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*1:洗脳といっても怪しい宗教のものではなく、もっと身近なものである